川原由美子原作「観用少女 プランツ・ドール 完全版 全三巻」、読了です。
一方的に客から選ばれるのではなく、観用少女側から持ち主を選択できるという設定が面白いですね。選択の主導権は、あくまで少女側にあり、こちら(客)にはありません。観用少女には選り好みがあり、客が男性であろうと女性であろうと、一方的に観用少女を選択することはできません。
この観用少女の選好性は、あたかも現実の少女たちの選好性のようであり、愛玩したい対象としての少女であるにも関わらず、その愛情を受け入れてくれない、主体性を持った人間の少女のようです。男性にとっても女性にとってもそれは同じで、だから、観用少女は、同性である女性ですら、気に入らなければ目を覚ましません。女性にとっても、未成熟で可愛い少女は、愛玩したい対象であるようで、その気持ちを男性以上にストレートに表現できる彼女たちの間に、人形遊びという文化は広がっていったのでしょう。しかし、一方的に選択し愛でていた対象から、逆に拒絶されることもあるというのは、女性にとっても辛いことのようです。
その観用少女も、快楽に溺れたり悲しみを経験したりすることによって大人になり、人間の男性と結ばれます。しかしそれは、逆に言えば成熟する以前の少女は、ほぼ人形(観用少女)に等しい存在であるかのようです。好奇の視線に晒され、暴力的な妄想の矢面に立たされ、愛玩動物のように愛でられる客体としての少女が観用少女であり、大人から見た客体としての少女とは、男性にとっても女性にとっても人形のようなものなのかもしれません。その客体と、客体自体が持つ主観のせめぎ合いが、現実の世界では繰り広げられていて、観用少女が選好性を持っていることは、そのせめぎ合いの暗喩のような気がしました。
面白かったですね。
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