長谷敏司著「あなたのための物語」、読了です。
SFマガジン編集部編「2010年版 SFが読みたい!」において、ベストSF2009国内第二位だったので、読んでみました。(ちなみに、第一位は伊藤計劃著「ハーモニー」)
作品のテーマが「死」であるだけに、全編を通して重苦しく、痛みをえぐるような文章で綴られています。僕は、長谷敏司という作家の作品を読んだことが無く、なんの先入観もなく読み始めたわけなのですが、SFマガジンの評価ほどに高得点ではなかったのです。
長谷の死に対する心象が、僕とは大きく食い違うからなのかもしれません。
例えば……。
抜粋します。
──ここから──
死は、人間が言語を使いはじめて文化の歩みを進める中、常に無為であり続けた。そして今後も無為な断絶であり続ける。
──ここまで──(ハヤカワ文庫JA 長谷敏司著「あなたのための物語」5ページ)
小説の冒頭から、長谷は死についてこう述べています。「無為」がどういう意味で使われているのか、少し分かりづらいのですが、仮に、何もしないで放っておいた、という意味であるなら、人類の病気との格闘や延命処置の技術向上はいったい何なんだ!と問いたいですね。決して、人類は死を無為にやり過ごしてはいません。
たしかに、最終的に人間の全てが死んでしまうと言う現実からは逃れられてはいませんが、「無為」である、とは思わないのですよね。脳死などは、明らかに「作為的な死」だと思うのです。
物語が冗長で、何度も同じ文章を読まされたあげくに、そう大した話ではなかったような気がします。
冗長な文章もあって、例えば。
──ここから──
動機が、動いている物体が外力を加えられない限り動き続ける、慣性力に似ているように思えた。
──ここまで──(同作品338ページ)
いや、そこは、簡単に「動機が、慣性力に似ているように思えた」でいいでしょ!(^_^;)
頭の中で意味を考え、文章を再構成しながら読んでいったので、かなり時間がかかりました。苦労した……。(^_^;)
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