小川幸辰原作「エンブリヲ」全三巻、読了です。
小川幸辰というと、現在おがわ甘藍名義での仕事が多く、いまでは一般誌にマンガを書いているようですが、一時期は成人マンガばかりでした。
その成人向けのマンガの内容というのが、ことごとく年端のいかない少女を対象とした作品でした。いわゆるロリコンものですね。
僕は、おがわ甘藍名義での絵がきらいではなく、成人マンガもストーリー性があって好きでしたので、小川幸辰名義だったころの作品にも興味を持って、今回読んでみました。
生物学ホラーということで、蠢く虫や肉体を虫に食われていく描写など、グロテスクな描写が多く、独特の雰囲気を持った作品に仕上がっています。
そのグロテスクさと、虫の卵を宿し、虫を慈しんでしまう主人公布良が清楚な少女であるという対比は、どこかで見た対比だと思い、考えてみると、「風の谷のナウシカ」なんですよね、これって。腐海の森の猛毒の植物をこっそり育て、蟲に愛情を注ぐナウシカは、まさに布良です。しかも、布良が出産した新種の虫が、沼の水質を浄化しているなんて話は、それこそナウシカのような気がします。
最終巻である三巻で、小川は、現在の絵柄で後日談のようなエピソードを書き加えています。小川幸辰の絵柄が好きな人にとって、あの加えられた二ページで、作品全体をぶち壊してしまっているようにかんじるかもしれません。ところが、僕はいま現在のおがわ甘藍名義の絵が大好きですので、この二ページによって救われた気がします。
僕の場合、できることならば、おがわ甘藍名義でこんな作品描いてほしいですね。ファンタジーありの、微エロありの、そんなホラー。どうでしょう?
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