今野緒雪著「マリア様がみてる フェアウェルブーケ」読了です。
久々の新刊です。今回は、リリアンの教師にスポットが当てられています。
「花物語」などもそうなんですけど、教師と教え子の関係は、この手の小説にとっては意外に王道なんですよね。実際問題、現実世界で女子高生と教師の関係がどうなのかはともかく、ファンタジー世界でのこういった妄想に浸るのは有りなのかと思っています。
幼稚舎から大学までの一貫教育をずっとお嬢さま学校で受けていた女性が、そのままリリアンの教師になるということは、彼女はその世界しか知らない純粋培養お嬢さまであり、生徒たちが彼女らに、同質の匂いを嗅ぎ取ってもおかしくはありません。しかし、そういったお嬢さまであっても、やがては“出荷”されるわけであり、それが、リリアンの生徒たちに現実問題として突きつけられているかのようです。
女性にモラトリアム期が生じたのは、女性が高等教育を受けられるようになってからであり、結婚までの準備期間が、彼女たちにさまざまな精神的な活動を与えたようです。
今回の「フェアウェルブーケ」では、教師に対してさまざまな想いを、リリアンの生徒たちは巡らします。そして、教師たちは、やがて卒業し結婚するリリアンの生徒たちの将来を暗示しているかのようです。
「花物語」で描かれる結婚が、辛く厳しいものだったのにくらべ、「マリア様がみてる」で描かれる結婚が、明るく希望に満ちているものであることが、男からすれば救われるのですが、やはりというか、なぜ?というか、祐巳ちゃんもすっかり三年生の紅薔薇さまになって、やがて卒業して結婚するなどと想像すれば、男とすれば寂しいなぁと思うわけです。とくに、男嫌いの祥子さまの将来は、心配ですね。w
そんなふたりの、夏休みの過ごし方なども想像させられました。
やはり、このシリーズ、面白いですね。次作も期待しています。
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